2011年6月18日

「わんぱく坊主の戦争体験」紹介


「わんぱく坊主の戦争体験」は、兵隊になるのが夢で、いつもはだしで戦争ごっこばかりしている小学生5年生の話ですが、私にとってショックだった「人間そっくりの米兵」という箇所を、引用します。

 5月の夜中に、飛行機の墜落した音がした。夜が明けるのを待ちかねて、学年の小さい2、3人と一緒に早速現場へ赴いた。煙が上がっているところを目指していった。そこは、長久手の、小さな川の土手の上であった。そこには、8~10人ほどのアメリカ兵の死体が、素裸で横たえられていた。飛行機が墜落して、パラシュートで降りてきたということだった。米兵は、人間そっくりだった。それまで、米兵は、人の面を被った鬼だと教わっていた。変な話だが、子供だから殆ど信じていた。それで面を取ろうとしてつついてみたが、自分たちの顔と変わらなかった。本当の人間なんじゃないかなと思った。土手が狭いのを口実にして、死体の上をはだしで歩いて反対側まで行った。まだ温かかった。今でも足の裏にそのなま温かい感触が残っており、身震いするようで、しゃべりたくもないし思い出したくもない体験だ。

 履くものも無くいつも素足で歩き回っていたおれらとは違って、裸の米兵は、ピカピカに光った編み上げ靴を履いていた。大人の人が、「こりゃいい靴だ」と靴を脱がし始めると、他の大人も「おれもおれも」と、皆靴を取ってしまった。日本の人はこういうことをするのだと思った。(中略)この米兵たちのことは、秘密裏に処分されたと聞いた。コモにまかれて、爆弾の穴の中へ埋めてしまったとか。      幸

 

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