2011年7月12日

『ダバオに消えた父』


ダバオに消えた父」というのは、本の題名です。最初にこの本に
であったとき、次々と疑問が浮かびました。「ダバオって、どこの
こと?」「消えた父って?」

題名のつけ方、上手いですよね。さすが、文章もとても上手くて、
一気に読んでしまいました。

ダバオは、フィリッピのミンダナオ島にある都市でした。マニラ麻
の産地で、日本人移民の努力で大変栄え、現地の人とも仲良く暮ら
していたそうです。1940年ころには、日本人が2万人も暮らし
ており、日本人が作った病院で、医者をしていた父親と、看護婦を
していた母親との間に生まれた3男坊が、この本の作者の丸山忠次
さんです。

しかし、楽園のようなダバオにも、戦争がやってきます。お母さんは
日本へ帰ろうといいますが、父親は、「私は医者だ。医者を必要とし
ている人がいる以上、ここで仕事をする」といって、ダバオにとどま
りました。

そして、敗色濃い1645(昭和20)年、医者であるお父さんは
日本兵に連れ去られてしまいます。母子も殺されそうになりますが、
かろうじて魔の手からのがれ、地獄の逃避行に・・・。

日本に帰ってからも、開拓団のなかに投げ込まれ、特にお母さんの
苦労には、涙がでました。

そんな辛い体験を心に刻んで、しっかり戦後を生きていらした作者
には、頭が下がる思いです。

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