2011年11月 5日

『ひとり芝居 悔悟の記録』 劇団なんじゃもんじゃ


 劇団なんじゃもんじゃの芝居を始めて観ました。ショックでした。これま

でに何度も、「戦争体験を聞く会」を開催したり、体験者の聞き書きをした

り、本を読んだりしてきて、結構戦争については知っているつもりでいました。


 しかし、この芝居は、ショックでした。全くそんなことは知らなかったと

いう思いで、打ちのめされました。

 
 元憲兵少尉土屋芳雄さんの体験を基にしたものです。65年前の太平洋戦争の

時代、328人を殺し、1917人を逮捕・拷問投獄し、シベリア抑留6年の後、中国

戦犯管理所で5年間を過ごし、昭和31年8月に日本に帰ってきた人です。


 憲兵は恐れられていたということは知っていましたが、憲兵というものの

実態が良くわかりました。貧乏な百姓の子供で、虫も殺せないような優しい男

が、どのようにして変身していったのか?一人でも人を殺すとその人は、別人

になって行く。罪のない中国人を捕まえて拷問する、その拷問のすざまじさ。

 その内に、生殺与奪の権力を手にし、殺したり逮捕したり拷問にかけること

が、出来る男の証明の様に思われ得意になっていく。

 その鬼が、中国戦犯管理所での、温かい人間扱いによって、人間に戻って

いく。迷い悩みながら、自分のしたことの残虐さを認め謝罪するようになる。

 
 日本に帰って、中国で自分のしたことを話し、申し訳ないというと、「中国で

洗脳されてきた。アカだ」と決め付けられ、監視されるようにさえなる。就職も

できない。差別される。


 しかし、彼は「悔悟の記録」を書き、90歳まで人々に語り続けた。そして、

自分はもうすぐ語れなくなるから代りに語ってくれといって、資料も渡して、

西尾さんに託した。その西尾さんは、それから、15年、ひとり芝居を続けている。


 凄い人たちだ。「戦争の真実が知りたい」と言って、この芝居を選んだ中高生

に感謝したい。四年生の子も参加してしたのだが、しんと静まり返ってしっかり

と舞台に集中していた。終演後、役者との話し合いもよかった。知らないうちに

時代の雰囲気の中で、流されていってしまう、その構造は今も全く変わっていな

いのではないか、注意していかねばとか、なかなか鋭い意見が出ていました。


 Oさんが、「ねえ、この劇またやりません?」と声をかけてきたが、ほんと、

「戦争体験を聞く会」でやってもいい内容だなって思いました。 

   幸

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