2012年4月 3日

「地図にない島へ」武田英子文・吉本宗絵  農文協


 映画「お菓子放浪記」を見る会を立ち上げ、中心になって活躍していら

したTさんが、先日決算報告書を持ってきてくださった。

 当日入場者は、500人近く。チケットを買ってくださった方は、600数十

人で、何とか成功し、震災被災地へカンパも送ることができたということ

であった。

 実行委員10人ほどで、意外に簡単に映画会ができるということに驚きま

した。


 そのときTさんが、「とてもいい本だから、機会があったら、皆さんに

紹介してほしい」といって貸してくださったのが次の本です。



 2冊とも、小学生高学年から読めるよい本ですが、「地図にない島へ」は

私の全く知らない話だったのでより興味深く、ショックでした。

 瀬戸内海の小島、大久野島。今は島全体が国民休暇村になっている「瀬戸

内海の楽園」が、戦争中には、「毒ガス島」だったのです。しかもその島へ

地元の人、中学生、女学生(13歳)が働きにいかされ、毒ガス中毒になり、

体調を壊したり怪我したり死んだりする。


 この島での作業は軍事機密のため、親にもしゃべってはいけません。島の

存在もないものとされ、地図からも消されてしまいます。


 女学生の時、学徒動員でこの島で働かされていたさなえが、孫のミキ(5年

生)と一緒にその島へ行くことになり、過去にさかのぼり、子や孫に語ると

いう設定になっています。


 子どもにとっても、本当に過酷な時代がついそこにあったのだということ

を思い知らされる気がしました。そして、この島で製された毒ガスが、中国

で使われ、あの731部隊へとつながっていく。

 これは、闇に葬られていい物語ではないのです。こんな重い話を、子ども

でも読める優しい文章で書いてくださった、武田英子さんは素晴らしい方で

す。吉本宗さんの絵も元気があっていいです。

  農文協出版  1260円也。    一度読んでいただきたい本です。




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