2013年2月17日

「安全保障のジレンマ」・・・マイケル・シーゲルさん講演より


以前、南山大学の教授のマイケルシーゲルさんに講演していただいた「安全保障の

ジレンマ」という内容が、いま問題になっている集団的自衛権の問題などへの参考に

なると思いますので、もう1度載せさせていただきます。

 

 以前、マイケル・シーゲルさんの「安全保障のジレンマ」というお話を聞いて、いたく納得したことがあります。

 日本と中国のいまの争いのエスカレートぶりをみていると、まさにピッタリのお話なので、紹介してみます。

 オーストラリアで、生まれ育ったマイケル・シーゲルさんは、ゆっくりとしたしゃべり方で、オーストラリアの経験とか近現代の戦争を具体例に挙げながら、とても分かりやすく、ところどころくすりと笑わせながら、9条がかわったら、日本はアジアはどうなるか、私の一番知りたいことを話してくれました。

①安全保障のジレンマ
 A国が、B国に脅威を想定し、対策を用意する。対策は、軍事化か同盟。目的は,B国の脅威への抑止。ところが、A国が軍事化か同盟を結ぶと、そのことが、B国には、脅威となる。B国が、それに対して対策をとり、・・・とエスカレートしていく。その軍拡競争の中で、国力の弱いほうが、ついていけなくなり、「今なら勝てるかも」と賭けに出て、戦争になることがある。
 第1次世界大戦でも、どの国も戦争をしたくはなかった。ところが、ロシアとフランスが同盟を組んで、攻めてくるのではないかと疑心暗鬼にかられたドイツが、オーストリアの皇太子暗殺というテロ事件をきっかけにして、露仏同盟の結ばれる前にとフランスを攻撃するためにベルギーに侵略して、戦争開始となった。その結果、ドイツが1番恐れていた、露仏同盟が結ばれ、ドイツは完敗してしまう。
 第2次世界大戦でも、このまま行ったらダメだが、「戦争準備できていない今なら勝てるかも」と真珠湾攻撃を仕掛けて、欧米との戦争になった。

②9条を変えると、アジアでの軍拡競争の引き金を引くことになる。
 日本の軍事費は、世界で、3位か4位である。日米安全保障条約も結んでいる。しかし、日本が民主主義国で、司法の独立があり、憲法9条があるかぎり、日本は周りの国にとって、脅威ではなかった。しかし、もし、9条が無くなれば、日本の軍備と同盟は、大きな脅威となる。アジアにおける軍拡競争の引き金を引くことになる。、中国の軍事費が増えてきているが、日本の改憲の動きが、始まったころからだ。韓国と朝鮮、中国と台湾という火種を抱えている東北アジアで、軍拡競争がはじまれば、大変危険な状態になり、日本に関係のないところで戦争が起こり、それに日本も巻き込まれていく恐れがある。

③憲法9条を変えると、日本はますますアメリカに依存するようになる。
「アメリカから、独立するために、9条を変えて、独立した軍隊を持つほうが良い」主張する人がいるが、逆です。たとえば、中国と軍拡競争になったとして、潜在的な国力からして、日本が中国に勝てない。すると、ますますアメリカの力に頼らざるをえなくなる。

④同盟に伴う危険
 ・罠にはまる。引きずり込まれる。・・・オーストラリアは、第2次大戦前は、英国と,後は米国と同盟を組んでいる。そのため、英国や米国が行った全ての戦争に従軍しなければならなかった。戦争を続けるには国民の意欲をそいではならないので、同盟国のほうが、危険なところへ回される。9条があるから、日本は危険な従軍をしないですんできた。9条改憲を一番望んでいるのは、アメリカだ。チェイーが「成熟した同盟を」というのは、アメリカ軍とともに血を流せということだ。
・見捨てられること
 第2次大戦中、オーストラリアは、英国と同盟を結んでいて、アフリカで戦っている最中に、日本がオーストラリアに攻めてきても、オーストラリアを助けないと、チャーチルは、言った。同盟を結んでいても、見捨てられるのです。2国間に力の差が大きいほどこれは起こります。

 ときどき、先生は、どちらを選びますか?とにこやかな顔をしながら言われた。
余りに明白すぎることではないかと思い、私達もちょっと笑った。
「国益のためには、改憲が必要なんだ」といっている人々に、是非聞いてもらいたい話だった。特に、国会議員・県会議員・市会議員など、政治の場に携わっているひとに。そして、もし反論があったら、それを話して欲しい。

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